地域で愛される「ご当地あまざけ」に着目し、甘酒造りのストーリーと甘酒商品の詳しい情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第4回目の紹介記事は、 山口県の礒金（いそかね）醸造を特集します。
メーカーについて -About-
山口県山口市、瀬戸内海に面した阿知須(あじす)の地に、礒金醸造株式会社はあります。
創業は1911年（明治44年）。前身の礒金醸造工場から数えて私、礒金大樹で四代目となります。小さな醸造元ですが、先人より受け継いできた昔ながらの製法そのままに麹菌と向き合う日々を送っています。
醤油や味噌は、お陰様で地域の人びとに愛され、「この土地の味」として根付いています。近年は発酵食品の健康への効果が注目されてきたこともあり、生麹や甘酒を求められる方も増えてきました。そうした需要に応え、これまでにない新商品などの開発にも取り組んでいます。
1999年には台風の直撃により、山口県は甚大な被害を受けました。海からすぐの場所にある私どもの醤油蔵も高潮に襲われ、壊滅的な状況となりました。そのとき、父は「廃業」も考えたそうです。いま私がこうして醸造を続けられるのも、先代が踏みとどまり、消えかけた伝統の灯を守り抜いてくれたおかげです。
製造過程 -Produce-
2005年に地元の「道の駅きららあじす」がオープンするにあたって新商品を考えていたところ、今は亡き祖母が「甘酒を作ってみたら？」と、助言したくれたのを機に商品化しました。
時間と共にブラッシュアップを行い、現在、甘酒（プレーン）・生姜甘酒・長門ゆずきち甘酒・白（HAKU）山田錦仕込みの4種類を展開しています。昔ながらの麹蓋製麹で作る麹を使用し無添加、無加糖で、山口県産米と米麹だけで醸し出す「まっすぐ、やさしい味」です。
「飲む点滴」とも言われる甘酒。甘酒には、生命活動に不可欠な各種必須アミノ酸やビタミンや食物繊維が、多く含まれております。
麹菌が生み出す自然な甘さがあり、もちろんノンアルコールです。甘酒の独特の風味（麹臭さ）を抑えつつ、米の粒感も控えめにした甘酒に仕上げいます。
「美味しく、安全で、しかも身体にもいいもの」そんな甘酒を探している方に、きっとご満足いただけると思います。手作りの米麹から生まれる、素朴で奥深い味わいをお楽しみ下さい。
商品 -Product-
- 「白（HAKU）山田錦仕込み」
風味・雑味のない、きめ細やかで香り高く繊細で飲みやすい甘酒に仕上がりました。
山田錦は米と麹の相性の観点から一般米(うるち米)に比べ、心白が中央付近にあり、麹菌が菌糸を伸ばしやすく、糖化が進みやすい特徴があります。また、雑味となる蛋白質が少ないので、お米の自然な甘さ引き立つスッキリとした味わいの甘酒に仕上がります。
冷やしてストレートでお飲み頂く事がお勧めで、甘酒が苦手な方・初めて飲まれる方、また女性客に人気があります。
メッセージ -Message-
発酵食品に携わる者として、発酵を応用した新商品開発や新規事業の立ち上げ、また現在ある発酵食品の裾野を広げる活動や普及に努めていきたいです。
技術革新やAIの進歩など、世界ではますます合理化・効率化が進んでいます。しかし、どれほど世の中のスピードが速くなっても、私たちはこれまで通り真摯に、丁寧に麹菌の声に耳を傾け、この地の自然環境に育まれて来た手作りの味を育てていきます。そんな「いそかね」の商品を、お客様に「おいしい」と感じていただけるなら幸甚です。
おすすめの商品 -Product Recommendations-
麹菌が生み出す自然な甘さ。もちろんノンアルコールです。「美味しく、安全で、しかも身体にもいいもの」。そんな甘酒を探している方に、きっとご満足いただけると思います。
山口市阿東地区で育まれた酒米「山田錦」で製造。
阿東地区…島根県との県境に位置する秀麗な十種ヶ峰(別名 長門富士)は、南側から眺める姿はマッターホルンを彷彿させる。米・りんごの産地としても有名で、昼夜の温度差が大きい標高300mの高冷地です。
山々に囲まれた緑あふれる稲田、多くの名峰、霊山からの清らかな水が、大地へそそがれ稲の活力となります。きれいな水、昼夜の寒暖差、安全な土壌作り、自然と人の弛まぬ努力で作られた自慢の酒米を使用。
一般米(うるち米)に比べて「山田錦」は、脂質やたんぱく質が少なく、また質の良い麹が作れるため、雑味のない、きめ細やかで香り高く繊細で飲みやすい甘酒に仕上がりました。
今回ご紹介した甘酒メーカーについて
【山口県】
礒金醸造株式会社
https://www.isokane.co.jp/
山口県山口市阿知須3248-2